発起人はあなた1人、取締役はあなた。
資本金は1円。
実質的には個人事業とほとんど変わらないのに
株式会社という法人をつくることができます。
この場合は、定款もごくシンプルな形でOKですし
出資額、保有株式数などを気にする必要はあまりありません。
一方、
複数人で会社を立ち上げる場合は注意すべき点がいろいろあります。
たしかに1人では出来ることが限られますし
複数人の強みを持ち寄ることで1+1=2以上のパワー発揮が可能となるわけですから
事業発展を考えるなら共同事業を立ち上げることは理にかなっています。
けれども、
夢見る初期段階ではうまくいっていてた関係が
途中から変容して行くケースはたくさんあります。
これは、事業が軌道に乗り発展している場合でも、
うまくゆかず赤字が膨らんで行く場合でも、
共同経営者間で意見の相違が表面化し、修復できない溝になることは
掃いて捨てるほど事例があります。
スティーブ・ジョブスでさえ、自分がつくったアップルから追い出されたわけですから。
共同事業として
何人かと株式会社をつくる場合、
まず考えなくてはならないのは、
出資額の比率です。
出資額の比率とは
すなわち、「保有株式数の比率」ということであり、
「株主総会での議決権の比率」
ということです。
もし、あなたが知人と2人で会社を立ち上げる場合、
50万円づつ出資して
資本金は100万円。
株式は
あなたが50株、
知人が50株、
とした場合、
経営方針が対立した場合、
何も決められなくなります。
相手を辞めさせようにも
どちらもその力がない
というわけです。
取締役の解任には
株主総会で「過半数」の議決権による決議が必要ですので。
ですから、2人で始めるなら
どちらかが51%以上の出資をして
主導権を取る形にしたほうが良いのです。
もちろん、親しい友人と事業を始めるから
何か対立したときは、話し合って解決できる
という信頼関係があれば別ですが。
(ただし、人は、時間と状況によって変わるものだということも念頭に置きましょう)
では、
あなたが会社の売却をもちかけられて
いい条件だから「会社を売りたい」と考えた場合は?
この場合には
2/3以上の議決権による「特別決議」が必要となりますので、
あなたが51%の株式を持っていても
もう1人(49%)が反対すれば
事業譲渡はできない、
ということになります。
つまり、重要事項の決定権をふくめて
主導権を握りたい場合は
2/3以上の株式保有が必要、ということです。
会社設立と出資額
株式会社設立手順