2015年09月17日

合同会社から株式会社への転換は、かんたんだって?

「合同会社」という会社形態は
2006年に施行された新会社法であたらに加えられたものです。

それからわずか10年足らず。

いまではなんと、会社設立の2割が「合同会社」です。

その要因は、なんといっても
「設立費用の安さ」
にあると思われます。

設立費用は

株式会社 ⇒ 最低24万円 (定款認証5万円、印紙代4万円、登録免許税15万円)
合同会社 ⇒ 最低10万円 (印紙代4万円、登録免許税6万円)

さらに、会社設立を解説しているサイトの多くが

「合同会社から株式会社に転換すのはかんたん」
といったことを書いています。

とりあえず安く会社を作って
儲かってきたら株式会社にすればいいじゃん、
という感覚。

これって本当でしょうか?

前にも指摘した通り、
合同会社は小さな会社に適した会社の形です。

ビジネスが軌道に乗り
取引を拡大しようとしたり、融資や増資を考えるとき
新たな人材がほしいと思ったとき、

合同会社が「足かせになっている」、
と気づくことも多いでしょう。

で、
この段階で株式会社に転換することは
もちろんできます。

できますが、
相当大変です。

定款は作り直し、登記もしなければならない、税務署、役所への手続きも必要、
さらに、
チラシ、名刺、パンフレット、封筒、などの書類一式のつくり変え、
各種契約の変更・・・
などなど、新しく会社をつくるほどの手間が待っています。

これに要する時間と費用は相当です。

もちろん、
合同会社はダメだ、と全否定しているわけではありません。

設立ケースによっては、合同会社のほうがいい場合もありますし、
個人がそれぞれの力を持ち寄るプロジェクト型ビジネスなどを始め
未来型のビジネスモデルに合同会社を活用する例は増えるでしょう。

ただし、
設立費用が安いから合同会社でいいや、

安易に始めると
後で苦労することになりますし、
ビジネスチャンスを逃すこともあります。

なにごともはじめが肝心です。

メリット・デメリットを見極めて選択してください。


株式会社設立



posted by 会社設立専門・行政書士 at 12:53| 会社法全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月16日

合同会社の設立を選ぶんですか?

会社設立、というときに
会社の種類を考えなければなりません。

会社には、「株式会社」「合同会社」「合資会社」「合名会社」
の4つの種類があるのですが

「合資会社」と「合名会社」は、今ではほとんど設立例がありません。

なぜって?

この2つは、「無限責任」を負う社員(事業で失敗したら、個人資産をもって償わなければならない人)
を置かなければなりませんので
もう時代に合わなくなったということなんです。

一方、事業で失敗しても、
出資した額の範囲でしか責任を負わなくてよいのが「株式会社」と「合同会社」です。

では、「株式会社」と「合同会社」の違いは?というと

「株式会社」は、物的会社
「合同会社」は、人的会社

つまり、「株式会社」は、株式保有率が過半数なら会社を支配できる、
会社への出資額の比率が、そのまま支配権の率となる
という形。

「合同会社」は、
出資した人すべてが、出資額にかかわらず、同等の発言権をもって
会社方針などの決定は、「1人1票制」(原則、全員一致)ですすめる
という形です。

ですから「合同会社」の場合は、
お互いをよく知った「少人数」で「小規模な」ビジネスを行う時に向く形なのです。

ビジネスが大きくなると
気心知れた仲間であっても
利害の対立がおきますし、方向性に違いが生じます。

その時に
全員一致を原則とした「合同会社」は
かえって「足かせ」となる場合が多いのです。

今、合同会社で設立する人が急増しているのですが

合同会社とはなに?ということをよく理解してから
メリット、デメリットを比較検討していただきたいと思います。


株式会社設立
posted by 会社設立専門・行政書士 at 10:52| 会社を設立する前に | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする