株式会社設立のハードルがぐんと下がりました。
そのひとつが、「1人で、株式会社を設立できる」ようになったこと。
旧商法時代においては、
株式会社は、「取締役3人以上+監査役」が必須で、その分役員報酬も必要だったわけです。
現在は、「取締役1人以上」で株式会社がつくれます。
しかも、「資本金1円以上でOK」となったわけですから
旧商法時代の有限会社をつくるよりもカンタンになったわけです。
(有限会社の最低資本金は、300万円でした)
つまり、1人でビジネスを始める際に
「個人事業」でやるか、「株式会社」をつくるか、
選択できるようになった、ということです。
では、1人で株式会社をつくるメリット、デメリットを考えてみましょう。
先ず「メリット」。
●ビジネス拡大チャンスが広がりやすい
取引先によっては、法人であることが新規取引の条件、としている場合もありますので
会社を設立し法人化することで、個人事業よりもチャンスは広がりやすい、といえます。
また、1人会社であっても、あなたは「代表取締役」と名乗れますので
社会的信用も得られます。(多少はったり的な場合もありますが)
●厚生年金に加入できる
個人事業では、「国民年金」「国民健康保険」ですが
法人化することで「厚生年金」「協会けんぽ」に加入できます。
保険料はもちろん高くなりますが、(平均報酬月額は、1〜47級まで)
還ってくる額も、補償される内容も国民年金などとは比べ物にならなほど有利です。
●役員報酬が経費になる
あらかじめ決められた一定額を役員報酬として受け取る形にすることで「経費」となります。
個人事業にはないメリットです。
では、「デメリット」を見ておきましょう。
●設立に費用がかかる
株式会社を設立する場合、法定された費用だけで最低24万円以上かかります。
交通費もかかりますし、会社印も作らなくてなりませんし、
手続きも、公証役場で定款の認証を受け、登記所で登記手続きを行わなければなりません。
しかも、書類が多く、法的な整合性が必要ですのでけっこうな手間・時間がかかります。
●赤字でも税金がかかる
赤字であっても、地方税の均等割り7万円以上が課税されます。
(個人事業で赤字なら、所得税はゼロです)
●保険料の天引きを自分で行う
年金や健康保険の保険料を、役員報酬から天引きしなければなりません。
自分でやるわけですが、けっこう手間です。
●税務書類が煩雑
個人事業に比べて、税務書類が多く複雑です。
税理士や会計事務所をたよると、その分費用もかかります。
年末調整も自分でしなければなりません。
・・・・・
このように、会社をつくることにはメリットとデメリットがあります。
事業を大きくして行きたいなら
会社をつくることのメリットが大きく作用してくれますが
小さく細々と、であれば
無理して会社にしなくてもよい、とも言えます。
こうしたことを考えながら起業のスタイルを決めて行きましょう。
⇒会社設立手続き